先日子供用の交通系icカードを家に置いてきてしまって、電車に乗る際に切符を買わざるを得ないことがありました。その時に、ふと私自身が子供の頃によくやった切符を使った暗算ゲームを思い出して、長男と一緒にやってみました。このゲームに予想以上に長男がハマってくれたので紹介します。
切符を使った暗算ゲームのやり方
切符には4桁の通し番号がついています。例えば、先日長男と電車に乗った時に買った切符の番号は「3255」でした。買う度に異なる番号の切符が手に入るので、その度にこれから紹介する暗算ゲームを始めることが出来ます。
暗算ゲームのルールは下記の通りです。
- 切符に書かれた4桁の数字を、4つの1桁の数字として考える
- この4つの1桁の数字を使って、答えが0〜10になる四則演算の式をそれぞれ1つずつ作る
- 数字の順番は変えてよい。かっこを使って計算の順番を指定するのもよい。
- 1つの式に4つの数字全てを1回ずつ使わなくてはならない
- 答えが0〜10になる式が作れない場合は、「作れない」という回答でよい
例えば、「3255」で答えが10となる式を作る場合、「(5 + 5) × (3 – 2) = 10」という式を作ることができます。
このゲームをやって感じたメリット
電車の切符を使った暗算ゲームは長男もとても楽しんでいて、最近は電車に乗ると毎回やっています。デメリットとしては、切符を買うために券売機に行く必要があることくらいだと思います。自然と暗算練習ができるようになりますし、計算の工夫なども自然とできるようになります。ぜひチャレンジしてみてください。
楽しく暗算力を鍛えられる
計算練習というと身構えてしまうかもしれませんが、数字を使ったゲームという感覚でやると楽しく遊ぶことが出来ます。どっちが速くできるか勝負するような形でやると、子供にとっても楽しめますしやる気が出ます。
ゲームと言っても、頭の中で計算する必要があります。しかも、実際にやってみるとわかりますが、かなり答えを出すのは難しく、多くのステップを頭の中で踏む必要があります。答えが出るとひとしきりの達成感を味わうことが出来ます。息子も、初めて全部出来た時には思わず「やったー」と言っていました。
電車に乗っている隙間でできる
電車に乗っている時間というのは手持ち無沙汰になりがちですが、その隙間時間で出来るというのもおすすめポイントです。いつもは電車の外を窓から眺めているだけだった長男が、この暗算ゲームを始めてから、いつも熱中して取り組むようになりました。隙間時間をとても有意義に使うことが出来ます。
また、切符は改札を出る時に回収されてしまいます。そのため、基本的には電車を降りるまでの時間が制限時間になります。制限時間があることで、電車に乗っている間にクリアしなければと集中できる状況になりますし、適度なプレッシャーを感じながらゲームができます。
答えを出すための考え方のコツ
このゲームには基本となる考え方があるので、実際にやってみる時には、子供に考え方を教えてあげるのがよいと思います。基本となる考え方を教えてあげることで、何から始めてよいかわからなくてつまらないということがなくなります。
基本となる考え方というのは、4つの数字を2つのグループに分けてから計算するという考え方です。これをすることによって、自然と「場合分け」がされた考え方をすることが出来ます。
数字を3つと1つのグループに分ける
1つ目の考え方は、4つの数字を3つと1つのグループに分ける考え方です。1つの数字を隠して、残りの数字で何を作れば最終的に欲しい数字を作れるかを考えます。
例えば、先ほどの「3255」を使って8という数字を作りたいとします。まずは、「3」と「2, 5, 5」に分けてみます。3から8を作るためには、残りの数字で5か11か24を作ることが出来れば答えが出せます。「2, 5, 5」の3つの数字の組み合わせを考えれば良くなるので、4つの数字で考えるよりも難易度が格段に下がります。
これでも難しければ、もう一つ数字を隠します。「2, 5, 5」で5を作るためには、2を隠した「5, 5」の組み合わせで3か7か10を作ることができれば、答えが出せます。ここまで来ると、5 + 5 = 10はすぐに思い浮かぶかもしれません。そうすれば、(5 + 5) ÷ 2 = 5が出てきます。そして、(5 + 5) ÷ 2 + 3 = 8で答えです。
4つの数字を2つずつに分ける
もう1つの考え方は、4つの数字を2つずつに分ける考え方です。例えば、先ほどの「3255」を使って10を作りたいと考えた時に、5 + 5 = 10というのが思い浮かびます。その時に、「残りの2つの数字で0か1を作ることが出来れば答えが出せるのに・・・」と考えることが大事です。それが出来れば、10 × 1 = 10または10 + 0 = 10のどっちかを答えにすることができます。
残りの数字は「3, 2」の2つです。つまり、最初の4つの数字を「5, 5」のグループと「3, 2」のグループに分けたわけです。ここまで出来ればすぐにわかるかもしれません。3 – 2 = 1です。したがって、(5 + 5) × (3 – 2) = 10で答えになります。
必要に応じてヒントを出してあげる
一見簡単そうに見えるこの暗算ゲームですが、慣れていないと頭のメモリをかなり使います。答えを出すためには、「場合分け」、「逆算」、「暗算」を同時並行で頭の中でこなしていくことが要求されます。なかなか答えが出なくても、あきらめずにいろいろ試してみることが、答えにたどり着く鍵になります。
それでも考えるのに行き詰まってしまった場合、ヒントを出してあげるのも良いと思います。例えば、「3255」を使って8という数字を作るところで行き詰まってしまっていたら、「3を隠して、2と5と5の3つの数字で5を作れないか考えてみたら?」というようにヒントをあげています。そうすることで、自分で答えにたどり着けたという達成感を失わせずに、答えに導いてあげることが出来ると思います。
まとめ
ふとしたことで思い出してやってみた電車の切符を使った暗算ゲームが、電車の中の隙間時間をうまく使って楽しく学習ができる良い遊びになりました。長男も最初はなかなか答えが出せませんでしたが、何度もやるうちにどんどん自分で答えが出せるようになってきています。自分で答えを見つけられるのが楽しいようで、1つ答えを出しても、別の答えを考え出してきて、「こういうやり方でも出来るんじゃない?」と言って、目をキラキラさせながら答えを探しています。
普通にしていると電車の切符を買う機会は減ってきてしまいましたが、長男が飽きてくるまでは、これからも切符を買って一緒に暗算ゲームに挑戦して行こうと考えています。皆様もぜひチャレンジしてみてください。