長男(小2)が計算スピードアップのための対策の一つとして取り入れたのが、山本塾の計算ドリルです。わり算については、ひき算の全レベルを終了した1月から主に取り組み、最終レベルであるわり算レベル10の◎タイムを10月にクリアしました。わり算に取り組んだ日数は274日でした。今回はわり算の記録タイムの推移と各レベルでの様子についてまとめています。
たし算、ひき算、かけ算については下記で記録をまとめています。
わり算レベル1~10の記録タイムの推移
グラフはレベル別のタイムの推移を%で表しています。100%がそのレベルの◎タイムです。
継続することで確実に計算スピードがアップする
長男は、山本塾の計算ドリルに取り組み始めてから397日目で最終レベルであるわり算レベル10の◎タイムをクリアしました。わり算に取り組んだ日数は274日です。◎タイムは、小学生が出せる限界タイムに近いタイムで、これ以上は目指す必要がないタイムです(山本先生談)。
わり算のスピードアップはとても大変で、たし算、ひき算、かけ算の何倍もの期間がかかりました。特に2桁のわり算(レベル4)、3桁のわり算(レベル7)のスピードアップには、それぞれ1~2ヶ月もの期間がかかりました。ただ上のグラフを見るとわかる通り、毎日継続して取り組むことで、目標の◎タイム達成に向けて少しずつスピードアップして行きました。
1日あたり約10分程度の取り組みですが、毎日継続して取り組むことで一生ものの計算力がついて来たと思います。計算をする時、筆算をするためには紙と鉛筆が必要になりますが、暗算であれば自分の頭だけで十分です。1度身につけてしまえば、日常的に使うスキルなので忘れることもありません。
継続することが最も大事
山本塾の計算ドリルに取り組んでいく中で、最も大事だと感じたのは、とにかく継続することです。これまでのまとめで書いたことの焼き直しですが、継続してやるために、以下のことに注意しました。
毎日出来るだけ決まった時間に取り組む
生活の中に計算ドリルを取り入れる上で、ドリルの取り組みを毎日の習慣にしてしまうのはとても効果があったと思います。我が家の場合、習慣にするために毎日同じ時間に取り組むことで、うまく行ったように感じています。
我が家は共働きなので、長男は平日は学童に通っています。そして、計算ドリルに取り組むのは、学童から帰ってきて最初にすることにしました。その結果、家に帰ってくると当たり前のようにドリルに取り組むようになりました。
負荷をかけ過ぎない
暗算は脳メモリをかなり使うので、とにかく疲れます。特に、自分が出来るレベルよりも高いレベルの暗算に取り組むと、一気に疲弊してしまうようでした。
取り組むレベルの目安は数回取り組んだら○タイムを取れるレベルというのが、過度な負荷がかかっていないレベルだと感じます。ただし、わり算については、桁が1つ増えることで一気に負荷が増加する状態になります。我が家では、○タイムを達成するまでは1日1枚だけ取り組むという形にし、負荷を軽減するようにしました。1日1~2枚取り組むだけでも十分効果があります。毎日取り組む量を増やしすぎないことも大事だと思います。
また、長男の取り組みを見ていて、出来るだけ◎タイムを取るか、それに近いタイムを安定して出せる状態になってから次のタイムに進むのが良いと感じました。前のレベルでしっかりスピードを出せるまで練習することで、次のレベルに取り組むための準備が出来ます。その結果、次のレベル進んでも過度な負荷にならず、スムーズに入っていけるようです。
取り組んだこと自体を褒める
日によって調子が良い日も悪い日もあり、思うようにタイムが伸びない期間もあります。そのような時、1番悔しいのは本人です。タイムが出なくても、継続して取り組めたこと自体が大事だと思いますし、続けていれば必ずタイムが伸びる時がやってきます。思うようにタイムが伸びない時こそ、焦らずに、継続して取り組めたこと自体を褒めてあげると、続けるモチベーションになるようです。
わり算 レベル別の様子と注意点
わり算レベル1(九九でできるわり算) ◎タイムのハードルが高い
わり算レベル1は九九で計算できるわり算です(例:15÷3=5)。ただし、九九とわり算の間には大きな隔たりがあります。四則演算の中で、わり算は最も難しく、人間の脳が苦手とする計算です。長男はたぶお式プリントでわり算の練習をしてからわり算レベル1に取り組みました。
わり算レベル1は◎タイムが30秒で、とてもハードルが高いです。かけ算レベル1の◎タイムが35秒なのだから、わり算レベル1も35秒で良いのではないかとも思いますが、おそらく答えが全部1桁なので、答えを書くのにかけ算レベル1より時間がかからないはずという山本先生の考えがあって30秒に設定されているのだと思います。また、わり算は桁が増えると一気に難しくなるため、最初の基礎の基礎である1桁÷1桁で妥協せずに取り組むのが大事だと思います。
わり算レベル2~3
わり算レベル2は九九でできる余りのあるわり算です(例:17÷3=5あまり2)。わり算レベル1もそうでしたが、◎タイムを出すにはかなりのスピードを求められます。また、誤答や書き損じを直すタイムロスがあると◎タイムを超えることができないので、必然的に一発で正答を出すことが求められます。ギリギリ1~2秒足りずに◎タイムを達成できない回が何度もありましたが、焦らず取り組んでいるとタイムが高い位置で安定してくるレベルでした。
わり算レベル3は九九でできるわり算で位を変化させた計算です(例:150÷3=50、2100÷700=3)。わり算レベル1を少し応用させたレベルですが、わり算レベル1がしっかりできていれば、難易度が高く無いレベルです。
わり算レベル4(2桁÷1桁) 暗算力をつける最重要レベル
わり算レベル4は2桁÷1桁のあまりのないわり算です(例:36÷3=12)。九九でできないわり算としては1番簡単なレベルですが、筆算なしでわり算を出来るようにするための重要なレベルで、かつ難所です。長男はわり算レベル4を開始してから◎タイムをクリアするまでに55日かかりました。
わり算は、上の位から計算結果がどんどん確定していくので、出来るようになると暗算ととても相性が良いです。わる数が1桁であれば、わられる数が何桁であっても暗算で計算できます。そして、わり算の暗算の山を登っていくためには、このわり算レベル4は避けて通れないところです。
わり算レベル4は、ステップとしては3ステップでの計算です。例えば84÷6という計算は、①まず10の位で8÷6=1あまり2をやります。②次にこの「あまり2」と1の位の4を合わせて24に頭の中で変換します。③最後に、24÷6=4を計算します。筆算する場合と暗算で計算する場合とで、ステップが全く同じです。
わり算は上から順番に計算していけると言いつつ、わり算レベル4で◎タイムをクリアするためには、ほぼ瞬時に答えが出せるようになる必要があります。そのためには、九九と同じように、体に染み付いている状態を作る必要があります。例えば、72÷4という計算があったときに、10の位から計算していくのではなく、瞬時に18という答えが出てくるのが理想です。
わり算レベル4でつまずいた場合、戻るべきレベルはわり算レベル2(九九でできるわり算あまりあり)とひき算レベル8(2桁-2桁のひき算)です。逆に、この2つのレベルで◎タイムかそれに近いタイムを出せていないなら、わり算レベル4にはまだ進むべきでは無いです。それだけわり算レベル4の負荷は大きいと思います。
これらのレベルがしっかり出来る状態であれば、あとはわり算レベル4を繰り返していけば、確実にスピードが上がって行きます。焦らず継続していくことが重要です。継続することで、一気に突き抜ける瞬間が何度もやって来ます。
わり算レベル5(2桁÷1桁あまりあり) あまりを出す練習
わり算レベル5は2桁÷1桁のあまりのある計算です(例:65÷3=21あまり2)。あまりを出す作業は、わり算の暗算で桁を増やしていく時に必要になります。頭の中でわり算の筆算をするイメージで、答えを上の桁からどんどん書いていきます。大きな数のわり算の暗算力を獲得する上で、わり算レベル5は重要なレベルです。
全部で18問、○タイムは60秒で◎タイムは35秒です。問題数は少ないですが、あまりを出すために引き算が入ってくるため、暗算の途中で頭の切り替えが必要になります。1問1問は、わり算レベル4よりも確実に難易度が高いです。ただ、わり算レベル4をしっかりやっていれば、比較的スムーズにクリア出来るレベルだと思います。長男は16日間取り組んで◎タイムを達成しました。
わり算レベル6(2桁÷1桁の計算と桁数調整でできるわり算)
わり算レベル6は2桁÷1桁の計算と桁数調整で計算できるわり算です。わられる数とわる数の両方の下の位に0が追加されています(例:3600÷30=120)。桁数調整は実は難しく、最初は誤答が多くなります。正答できれば、スピードは後からついてくるレベルだと思います。誤答が多い場合は、正答率のアップを重視して取り組む日を設けると良いと思います。
わり算レベル7(3桁÷1桁) 山本塾の計算ドリル最大の難所
わり算レベル7は3桁÷1桁のあまりの無いわり算です(例:351÷3=117)。暗算の難易度としては、一気に難しくなるレベルだと思います。長男にとってはこのわり算レベル7が最大の難所で、二重丸タイムクリアに62日間かかりました。また、わり算レベル7に取り組み始めた初日は、35問に6分44秒(平均約11.5秒/問)かかり、3問誤答でした。翌日は8分33秒で2問誤答でした。◎タイムが1分10秒ですから、取り組み始めの負荷が如何に重いかがわかると思います。
3桁÷1桁の計算は暗算の中でも段階を踏んで上の位から計算していきます。頭の中で筆算をするイメージです。一気に答えは出ず、上の位から答えを書いていきます。九九の範囲でできるわり算はかけ算の裏返しですが、3桁÷1桁は九九だけでなく、引き算の暗算がスムーズに出来る必要があります。そして、引き算の結果(あまり)を、次の位のわり算に使います。わり算レベル5はあまりのある2桁÷1桁の計算でしたが、これよりも必要となる脳のワーキングメモリが1段階増えます。
全部で36問あり、集中力を維持するのも大変です。◎タイムを出すには1問平均2秒程度で解く必要があるため、1度止まってしまうと◎タイムはほぼ不可能だと思います。ただ、日々の積み重ねが重要です。なかなかタイムが出なくても、焦らずに継続すると、一気に突き抜ける瞬間があります。
わり算レベル8(3桁÷1桁あまりあり)、レベル9(4桁÷1桁あまりあり) 暗算の桁数を増やしていく
わり算レベル8は3桁÷1桁のあまりのあるわり算です(例:325÷3=108あまり1)。わり算レベル7と比べて、最後にあまりを出すための引き算のステップが増えます。1問1問の難易度はわり算レベル8の方が確実に高くなりますが、問題数はわり算レベル7の◎タイムが36問に対して、わり算レベル8のは18問と半分になります。問題数が少ないため集中力が続きやすく、わり算レベル7をしっかり出来るようになっていれば、わり算レベル8は比較的取り組みやすいレベルだと思います。
わり算レベル9は4桁÷1桁のあまりのあるわり算です(例:3568÷3=1189あまり1)。ここまで桁が増えると、正確性とスピードのバランスをうまくとって計算するのも大事になってくるように思います。最初は1問1問を速く正確に解くのが難しいですが、わり算レベル8まででわり算の暗算の脳内サイクルが出来上がっていれば、わり算レベル9はスムーズにスピードアップしていけるレベルだと思います。
わり算レベル10 最後のレベル
わり算レベル10は4桁÷2〜3桁のあまりのあるわり算です。わる数の1の位は0です(例:3568÷30=118あまり28)。
桁数が多く、あまりも出すため、いろいろな誤答パターンが出て来ます。例えば、「2894÷400=7あまり94」のところを「2894÷400=72あまり14」と誤ってしまう桁の把握がうまくいっていないパターンや、「3535÷40=88あまり15」のところをあまりの計算をミスして「88あまり35」としてしまうパターンがあります。正確性とスピードのバランスをうまくとって計算することが大事になります。
ただ、わり算レベル9まででやって来たことの延長線上でわり算レベル10は対応できます。焦らず継続することが大事だと思います。
山本塾の計算ドリルで暗算力は身につきます
山本塾の計算ドリルを取り組んできた所感としては、この教材を継続して取り組めば、かなり短期間のうちに確実に計算力がつくと思います。長男はもともと計算が得意な方ではなかったですが、このドリルに取り組み始めたことで、確実に計算が出来るようになってきました。
これまでのまとめで述べたことの焼き直しになりますが、毎日少しずつ取り組んで、毎日少しずつ計算が出来るようになったことを感じます。まさに、継続は力なりだと思います。
また、力試しで受けてみた小3の10月のサピックスオープンで、算数の偏差値が70近くでした。計算力を磨き、確実にステップアップしてきた成果が出始めているように思います。
引き続き長男の挑戦をサポートしていこうと思います。最後までお読み頂きありがとうございます。