【Z会中学受験コース算数】場合の数の順列

Z会の中学受験コースの12月は場合の数です。そのうちの順列の単元で少し難しい部分があったので、記録に残しておこうと思います。

場合の数とは

場合の数のは、カードの並べ方や選び方が何通りあるかを考えるような問題です。順列は、そのうちのカードの並べ方を問うものです。例えば、次のような問題です。

『「1, 2, 3, 4」の4枚のカードがあります。このうち2枚をならべて2桁の整数を作る場合、整数は何通りありますか。』

解き方としては、①10の位に4種類のカードが全部入り得る、②1の位には10の位に入れなかったカード3種類が入り得る、という2段階を考えて、『4×3=12(通り)』と答えを出すことが出来ます。

Z会の場合の数の順列で学習すること

Z会の場合の数の単元は、いきなり上記のような例題を使ってかけ算で場合の数を出す方法からスタートします。いわゆる「積の法則」です。この積の法則を使うには、「場合わけしたそれぞれが同等の条件で成立する」という前提が必要です。つまり、上の例題の場合、①10の位に4枚のどの数字カードが入ったとしても、②1の位には3種類の数字カードが入る。条件が同等でない場合、例えば、カードに0が入ってくる場合

Z会の「場合の数」の単元には、下記のような理解しにくさがあるように思いました。

  • 「樹形図の書き方」の復習がない
  • いわゆる「和の法則」の復習がない

Z会の中学受験コースでは、「樹形図と数えあげ」という単元が3年生の1月にあります。上記の樹形図の書き方と和の法則は3年生の1月の単元に含まれていました。しかし、約1年たった4年生の12月の「場合の数」の単元では、多くの生徒は樹形図と和の法則を忘れてしまっているのではないかと思います。長男もすっかり忘れてしまっていました。

4年生12月の「場合の数」はZ会中学受験コースで学習している子がつまづきがちな単元のようです。「場合の数」が難しいと感じたら、樹形図の書き方を1度復習してみることをお勧めします。

樹形図の書き方と和の法則を理解していない応用問題に対応できない

樹形図を書いたときに、枝分かれ先の条件が同等でないと、積の法則だけではその問題を解くことはできません。Z会の場合の数の単元では、次のような問題があり、長男は初見で自力で解くことが出来ませんでした。

『0, 1, 2, 3, 4, 5の6つの数字があります。6つの数字のうち、4つを横にならべてできる4桁の偶数は何通りありますか。』

この問題で条件が厳しいポイントは、2つあります。

  • 一の位は「0, 2, 4,」のいずれか
  • 千の位は「1, 2, 3, 4, 5」のいずれか

よくある典型論点ですが、初見の場合にはこの問題は難しいようでした。難しいポイントは、一の位の条件と千位の条件のいずれが厳しいかを優劣つけることが出来ないことです。

一見すると一の位の方が条件が厳しいように思えるかもしれません。しかし実際には、一の位には0を入れることができるのに、千の位には0を入れることが出来ません。そのため、一の位の条件と千位の条件の厳しさに優劣がつけられません。一の位が「0の場合」と「2または4の場合」に分けてそれぞれ何通りあるか考えてそれを合計する必要があります。つまり、「和の法則」を使う必要があります。

積の法則は非常に便利ですが、枝分かれ後の条件が同等でない場合など、積の法則が使えない場合があります。しかし、樹形図で全部のパターンを書き出して数えあげるのはとても大変で、習ったばかりの積の法則をいつでも使って楽をしたくなります。そのため、積の法則が使えない場合にまで誤って使ってしまいがちになります。

したがって、積の法則を積極的に使っていくよりも、次のような基本姿勢を身につけた方が、場合の数を得意にできます。

  • 積の法則を使える場合は限定的であることを理解する。
  • まずは樹形図のイメージ(=場合わけ)をする。
  • 樹形図の枝分かれ先の条件が同等になって初めて積の法則を使う。

樹形図を書く際に、「条件が厳しいものから決めていく」というテクニックがありますが、上記の基本姿勢が身についていれば、このテクニックも当たり前の話だと理解できます。条件が厳しいものから決めていくことで、枝分かれ先の条件が同等(=条件が1番緩い状態)にしやすいのです。

こ樹形図のイメージや、樹形図の枝分かれした先それぞれで何通りかを求めて合計するという考え方は、場合の数を学習する上での前提になると思います。繰り返しになりますが、「場合の数」が難しいと感じたら、樹形図の書き方をもう1度復習してみることをお勧めします。

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